プレスクールや幼稚園へ入園するとお弁当を持たせることが出てきますよね。この記事では、お弁当グッズで迷わない・失敗しない選び方のポイントを解説しています。
幼児教室のプレスクールで毎年、生徒さん達の色んなお弁当箱やグッズに触れてきました。娘のお弁当箱を選ぶ際にリサーチした結果と併せて、おすすめを紹介します!
選び方のキーワードは、子供の自立支援です。集団生活のランチタイムは、皆で食事をする楽しさを経験するだけではなく、自分でお弁当の支度をして、自分で食べ、自分で片付ける…と一連の生活習慣を練習する場です。
お弁当の支度をする際も、子供が「自分でやろう」と、自ら頑張ると、考える力や、やり遂げた時の達成感、意欲が育ちます。成長チャンスを逃さない為にも一人で扱いやすいものを選んであげましょう。
2歳児のお弁当箱の大きさと量
食べる量には個人差がありますが、初めての母子分離、集団で食べるお弁当は小さめ、量は少なめからスタートします。まずは「食べ切った!」という達成感を大事に育てたいからです。
教室と親御さんとで様子を見ながら、増やせそうであれば増やし、その子の丁度良い量になるよう調整していきます。
大きさの目安
2歳児ですと、容量は270ml程度が丁度良いです。
エネルギー量から計算しても、2歳児の必要カロリーは900〜950kcal(食事摂取基準 – 厚生労働省)なので、一食分は大体300kcalという事になりますね。お弁当箱の容量はカロリーの目安になり、大体ml=kcalと考える事が出来るので、270ml+デザートで、適量に調整する事ができます。
最初は少ない目からのスタート(特にごはん)ですが、パッと見で「これなら食べられそう!」と思って貰えるような詰め方をしてあげると、「自分で食べよう」という意欲につながります。
お弁当がスタートして間もなくは、多すぎるので減らして下さい。と申し上げる事が圧倒的に多いです。足並みを揃えて、楽しく、集中して食べ切れる事が理想です。
あまりにもスカスカだと見た目が気になるので、彩りの良いおかずカップでかさを増やして、少しずつ中身を入れてあげましょう。
量についての注意点
「うちの子はよく食べるので…」と初日から大きめのお弁当箱に沢山詰めて来られる方もいらっしゃるのですが、なかなか進まない事が多いです。その原因はこの3つ。
家庭でのペースとは違う
親が子に付きっきりでサポートしながら「その子のペース」で食べるのと、決められた時間内に自分の力で食べるのとでは環境が異なります。
周りが気になって進まない
集団で周りの子が食べるのにつられてよく食べる…というケースもありますが、逆に周りの子が気になったり、お喋りに夢中で、自分の食事が進まないというパターンも多いです。
遊びたくて進まない
プレスクールや幼稚園では、食べ終わってお片付けが出来た子供達から、お部屋遊びを始めます。普段食べ切っている量を持って来ていても、先に遊び出した子を見ると、食事が進まなくなる場合も。
おすすめのお弁当箱
小食~普通のお子様向け
お弁当箱のおすすめは、容量が270ml、サイドでパチッと蓋が固定できるロック式です。
コツを掴むと一人で扱えるようになりますし、汁気も漏れにくいです。
娘はこちらのアンパンマンお弁当箱を1半歳~4歳手前迄の約2年半も使いました。小さく見えますが、しっかり詰めるとボリュームのあるお弁当になりますよ。
※お弁当は中身を冷ましてからフタを閉めて下さいね。熱々のままフタを閉めると、冷えた時に中の空気が収縮し、空けにくくなります。
子供達を見ていると、好きなキャラクターのものを用意してあげる事も大事だなぁと感じさせられます。嬉しくて、早く出したいという想いがさっと準備する動機になりますし、描かれたイラストから食事中の楽しい会話に繋がる事もありますよ。
アルミのお弁当箱も人気なのですが、ゴムバンドが必要になります。太いゴムバンドを、小さな子どもの手でとめるのは難しく、自己完結できない為おすすめしません。
食べる量が増えてきたら
2歳児でも自分で食べるのが上手な子や、3歳前後になり食べる量が増えてきたお子様には・・・
360mlでも中子付きで容量が調整できるものが便利です。
OSKというメーカーのお弁当箱は、中子がお弁当箱の中にすっぽりハマるカップのようになっています。このカップの容量は1つ145mlです。
- 2つ使うと・・・290ml
- 1つ使うと・・・325ml
- 中子無しで・・・360ml
と、トータルの容量を調整する事ができるので、仕切りだけのお弁当箱よりも融通が利きます。
因みにこのタイプは、ファミリアからも販売されており、娘が4歳から使っています。
デザート入れについて
お弁当を用意する時は大好きなデザート(おいしい果物)も用意してあげましょう。お楽しみが待ってる!と思うだけで食欲が湧いてきます。
デザート入れも一人で開け閉めできるロック式がおすすめです。水気が多いフルーツを入れても安心です。
蓋に溝が付いていて、キュッと押さえて閉めるタイプ(シール容器)も悪くは無いのですが、漏れやすい上に、2歳児にとっては固いです。
お弁当周辺グッズ
スプーン・フォーク・お箸
一番おすすめなのは、スプーン・フォーク・お箸の3点セットで、スライド式のケースに入ったものです。
2歳~3歳がお弁当を食べる時に、メインで使うのはフォーク、次にスプーンです。
このフォークについてですが、ステンレス製のフォークを強くおすすめ致します。
プラスチック製のフォークは耐久性を保つためにどうしても厚みが出るので、小さなおにぎりやおかずを刺すと崩れてしまい、とても食べにくいです。
「2歳児にお箸はまだ早いのでは?」と思われるかもしれませんが、3歳後半になると、お箸で上手に食べられる子も出てきます。
興味を持った時に、手に取る事ができるのも、意欲を伸ばす上で大事なポイントです。
いずれお箸の練習をする事になるので、最初から用意しておいて損はありません。
コップ
コップは割れないプラスチック製、取っ手があるもの、軽いもの、倒れにくいデザイン・・・これらのポイントが押さえられていれば大丈夫です。
(たまに陶器のマグカップ、倒れやすいバケツ型のものをお持ちになる方がいらっしゃるので、お気を付けください。)
おしぼり&おしぼりケース
おしぼりは、手や口を拭く事ができればどのようなものでも構いません。ただ、ケースについては、開け閉めのしやすいものを選んであげたいところです。
この頃は100円ショップでもかわいらしいケースが販売されていますが、大人には簡単でも、2歳児には一人で閉めにくいデザインのものもあるので注意が必要です。
お弁当袋
大き目の巾着袋に、一式入るのが理想です。入りきらない場合は、おしぼりとコップだけ小さな巾着袋に入れてあげましょう。
巾着・お弁当箱・カトラリー3点セットになって販売されている事も多いです。
ラインで揃えて、2歳用の小さなお弁当箱だけ追加で用意するのもおすすめ。
お弁当袋に入れる場合、お弁当包みはなくても大丈夫です。
お弁当が包めるかの確認は、年長クラスで行います。4~5歳でも上達には時間がかかる為、2歳3歳が扱うには早いです。(年長になったら、蝶結びとお弁当包みはできるようになりましょう。)
ランチマットとして使う為に、畳んで入れておくのは〇です。
子供に伝えておくべき事
お弁当グッズを揃えたら、使用する前に「これは〇〇ちゃんのお弁当箱だよ、アンパンマンが付いてるよ。これがおしぼりね。このフォークで食べるんだよ。」等、丁寧に伝えてあげましょう。蓋の開け閉め等、練習をするのも喜びます。
これはお弁当に限った話ではありませんが、出来る限り、対話をしながら一緒に準備をするのが理想です。 特に、2歳の慣れていない間は、自分のものすら把握する事が難しいのです。
おしぼりが落ちている時に、「これだれの?」と聞いても、誰もわからない、本人もわからない・・・というシーンが本当にあります(笑)年少さんでもまだあります。
名前って大事なんだね!ひらがなで大きくはっきり、本人にも見える所に書いてあげよう!
2歳になると、自分の名前が書いてあるんだ・・・という事は理解できています。「ゆ・う・す・けって書いてあるんだ〜」と教えてくれる事もありますよ。文字への興味にも繋がりますね。
まとめ
プレスクールを受け持っていて、保護者様から「どのようなお弁当箱が良いのでしょうか?」という質問をよくお受けするので、お弁当グッズのポイントをまとめてみました。
お弁当タイムと聞くと、大人は楽しい休憩時間♪のようなイメージを持つかもしれません。しかし、子供にとっては、自分の事を自分でやる頑張りどころでもあります。
お子様を応援するためにも、親切なグッズ選び・声掛けをしてあげましょう。
着物の着付けを出来ない初心者が、今から一人で道具を支度をして、自分で着て下さいね。と言われたら、どうでしょう?どうして良いのか分からなくなりますよね。
子供はこの、着付け初心者のような状態にあります。2歳さんのお弁当タイムも、最初は分からない事だらけ。道具は、子供にとって親切で、扱いやすいものを選ぶに越した事はありません。
また、教室では、「準備・食事・片付けのプロセスがいつも同じである事=秩序を守る事」を大事にしています。
いつも決められたルーティンで動く事で、一連の流れを覚え、次にやる事が分かるという安心感が生まれて、はじめて全てを自分でやるようになります。これが自立の始まりです。
おうちでも、朝のお支度や、寝る準備、生活リズム等、いつも同じパターンを決めてあげると、自ら行動しやすくなります。情緒も安定しますし、自分の事を自分で出来るように導きやすいですよ。
2~3歳児と行っておきたい家庭教育を8項目にまとめました。⇒https://soko-jikara.com/youtien-juken-katei/